
ベクトル、スカラーって何?
Root / 2026. 1. 15 / 線形代数
前提知識
- 「xy座標」が何かわかること。
導入
線形代数の主人公「ベクトル」を、可視化を通じて直感的に理解します。
その良き相棒である「スカラー」との違いもマスターして、最初の基礎を固めよう。
扱う内容
- ベクトルとは、「空間の中の矢印」であること
- スカラーとの違い
- 文字で書くときのルール
1 – ベクトルって何?
1.1 – ベクトルは矢印!
一言で言うと、「座標空間の中の矢印」です。
まずは、この矢印は「原点(グラフの中心)」からスタートすると考えてください。
この矢印が指す点の座標をベクトルの「成分」とします。
成分は縦に並べて表現します。

- 2次元の矢印の場合: 平面上の矢印(数字が2つ)
- 3次元の矢印の場合: 空間上の矢印(数字が3つ)
ベクトルは基本的には、成分として表されます。
しかし、成分だけが表示されていても、頭の中で可視化して「空間の中の矢印」だと幾何的に理解することが重要です。
さらに、数字の個数が増えても、同様に「空間の中の矢印だな」とイメージしてください。
まとめます。
ベクトルの「捉え方」
原点から始まる「空間上の矢印」で、矢印の指す点がそのベクトルの「成分」
「可視化」して理解することが超重要
「矢印としてのベクトル」とその「成分による表示」は表裏一体なので、常に両方を意識してください。
1.2 – 数字の並べ方の補足
人によっては、「ベクトル」は成分を横に並べて表すと習ったことがあるかもしれないので、ここで補足します。
ベクトルの成分の並べ方には「縦」と「横」の2つのスタイルがあります。
しかし、「縦型」で数字を並べる方が圧倒的に主流です。

1.3 – ベクトルは移動ができる?
ベクトルは、「原点から始まる空間上の矢印で、矢印の指す点がそのベクトルの成分」と説明しました。
しかし実は、ベクトルの「始まる点」を移動させることができます。
平行に移動させたベクトルも、はじめの「原点から始まっていたベクトル」と同じものと考えます。
(向きを変えたり、長さを変えたりはしちゃダメ!)
場所が変わっても、そのベクトルの成分は変わりません。
要は、形が同じ、向きが同じなら全部同じベクトル!!!

ベクトルが移動できることも踏まえて、もう一度まとめて理解しよう!
ベクトルの「捉え方」
ベクトルは、空間上の矢印。
矢印が始まる点を原点に置いた時に、矢印が指す点がそのベクトルの成分。
可視化して理解することが超重要。
2 – スカラーって何?
ベクトルの対比される存在として、「スカラー」 という言葉もよく出てきます。
スカラーは要するに「ただの数字(大きさだけを表す量)」のことです。
スカラーとベクトルを見比べてみて、違いを理解しましょう。
- スカラー:「大きさ」だけ(「向き」がない)
- 身長、テストの点数、気温、ベクトルの大きさなど
- ベクトル:「大きさ」と「向き」がある
- 速度、ある点における風、加える力など

線形代数において、スカラーはベクトルを拡大したり、縮小したりするものとして出てきます。
「ベクトルのスケールを変えるもの=スカラー」と考えましょう。(次回の授業で説明します。)
3 – ベクトルとスカラーの表記
数学では、いちいち数字を書かずに x や a などの「文字」で置くことが多いですよね。
同様にスカラーもベクトルも文字で表すことがあります。
ここで注意なのですが、ベクトルを表す文字は、その文字が表すものがベクトルだってわかりやすいように、「特別な文字」で置くことが多いです。
- 教科書やWebサイトだと、太字でおきます。(例:a, b)
- 手書きの時は、アルファベットに線を1本加えた感じの文字でおきます。

手書きでの文字は人によって違うので、なんとなくで大丈夫!!!!!
あくまで書き方だしね。
これから線形代数を学んでいく上で慣れていくので、頑張って覚える必要はありません。
それに対して、スカラーは普通の文字で書きます。
まとめます。
- ベクトル
- 教科書やWebサイト:太字
- 手書きの時:アルファベットに線を1本加えた感じの文字
- スカラー:普通の文字
自分が書く時も読むときも、その文字がベクトルなのかそうではないのかを意識してください。
ちなみにですが、この手書きの時の「アルファベットに線を1本加えた感じの文字」のことを、黒板文字といいます。
黒板で、チョークで太文字を毎回書くのが大変なので、太字の代わりに1本加えるようになったんですね。。。
理解チェック
要点
ベクトル:空間上の矢印(成分によって表現できる。)
スカラー:ただの数字(大きさだけを表す量)
- スカラー:普通の文字で表記
- ベクトル
- 教科書やWebサイト:太字で表記
- 手書きの時:アルファベットに線を1本加えた感じの文字で表記
Mini Quiz
お疲れ様
お疲れ様です!簡単だったでしょ?
ベクトルはただの矢印。
これからの授業もこんな感じで、「イメージ」を大切に進めていきます。
練習問題もあるので、さらに基礎を定着させたい人はチェックしよう! >>練習問題(現在作成中)
次回は「ベクトル」と「スカラー」の計算について、数式だけでなく、その直感的な図の理解を説明します。
「わかりやすかった!」「ベクトル簡単すぎ!」と思った方は、ぜひコメントで教えてください!
また、「もっとこうしてほしい」という改善案も大歓迎です。
私も皆さんと同じ学習者の一人です。共に学んでいきましょう!
誤植やバグを見つけた場合も、コメントやコンタクトフォームからご連絡いただけると嬉しいです。
